巨大エアドームテント

ダム工事現場 2009年11月納品

 

 
 
 

 

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船上デッキで雨天時に結婚式を実施するため、容易かつ短時間・安全に仮設の屋根を設置するために今回、当社のエアドームテントを採用していただき、ご依頼いただきました。

仕様

サイズ外径:W21800 L15400 D2300 H13000
内径:W17000 H7900
重量約600Kg(本体のみ)
材質ナイロン布地・(底面)ターポリン布地
構造品本体・送風機・単管架台
電気容量AC100V 400W10台(ブロワー)・550W1台(立ち上げ用ファン)
仕様基部架台を組み、壁底面を結束固定
オプション10分の1スケールミニチュアモデル
収納シート(晴天用・雨天用)・気圧計
運用・耐久期間屋外常設不可・強風時使用不可
屋外累積使用可能日数 100日

製作工程

 
3Dイメージ-パース1

 
3Dイメージ-パース2

 
3Dイメージ-底面

 
ミニチュアモデル-全体

 
ミニチュアモデル-検証テスト(風)

 
ミニチュアモデル-検証テスト(雨)

3Dイメージにておおよその形状、大きさ、構造を確認していただき、型紙を作成後10分の1スケールの同素材のミニチュアモデルを製作しました。送風機から強風を送りミニチュアモデルに当て、強風時でもエアドームテントが転倒しないかをテストし、またホースから雨が降るように水を降らせミニチュアモデルへの影響をテストしました。テストの結果をもとにさらに改善案を出し、3Dイメージで改善後の形状の確認を行いました。それらの検証を経て実寸大の試作製作へと取り掛かりました。

 
4tユニット車で設置位置に

 
本体を広げて設営

 
試作組み立て検証-1

 
試作組み立て検証-2

実際に雨の降る中、実寸大で製作した試作の組み立て作業を行いました。作業の無駄を洗い出し、より効率よく組み立てる方法を洗い出し、ロープやベルトの追加、膜体に空気が入りすぎた際にすぐ抜けるようにエア抜き穴を配置することなど徹底して検証を行いました。

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設置・撤収手順

 
架台を組んで設置

 
本体を広げて架台に結束

 
送風機と接続し膨らます

 
膨らみを支えて立ち上げ

本体保護のためにグランドシートを敷いたのち、グランドシートの中央にトラックを近づけて本体を下ろします。左右の膜体の壁が立つ位置に底面と結束する単管で組んだ架台を設置し、架台の上に膜体の底面が来るように本体をシート上に広げます。本体の底面と架台をロープで結束して固定し、送風管をひねらないように送風機を取り付けます。事前準備の工程をすべて完了したことを確認後、送風機(ブロワーとファンのすべて)を稼働させます。壁面が先に立ち上がり、屋根に空気が入ってきますと片側に偏りながらゆっくりを立ち上がります。立ち上がりからが最も風に煽られやすいため、注意しながら壁面を支え完全に立ち上がるまで待ちます。立ち上がったら壁面のロープを周囲から控えを取って張ります。立ち上がり後ファンタイプの送風機は取り外して送風管を縛ります。空気の入り具合を見てエア抜き穴をあけて内圧の調整を行い、設営作業は完了です。※設営所要時間:約20分・作業人数7人

 
送風機と架台を取り外し

 
端から空気を抜いていき

 
ロール状に折りたたみます

 
4tユニット車に乗せます。

撤収時は、本体につないだ送風機の電源を落としすべて取り外します。空気が抜けて本体が倒れてきますのでロープや直接手で支え、少しずつ傾けて倒します。倒したら本体にあるエア抜き穴やファスナーを開けて端から空気を抜いて左右から中央に向けて折りたたみます。帯状にまで折りたたんだらさらに空気を抜きながらロール状に巻くように折りたたみ、収納用シートの上に転がして包みます。4tユニット車で吊り上げて積載して撤収は完了です。※撤収所要時間:約20分・作業人数7人

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4tユニット車1台で積載可能

 


底面の架台も含め、送風機と本体すべてを4tユニット車1台で積載して運ぶことができます。今回は造形を製作するのに使用した布地の量がかなり多いためさすがに人力で運ぶことはできませんが、巨大な仮設建築物を4tユニット車1台で持ち運べることができます。設営・撤収時間も3時間もかからず行えてしまうので大きさで考えれば破格の仮設施設といえるでしょう。